樋口一葉の十三夜のあらすじ「明治を生きた女性の悲哀」

      2017/05/14   文学

着物女性の足元
「十三夜」は、樋口一葉が明治28年に発表した小説です。明治の女性の悲哀を感じさせる物語となっています。

樋口一葉は明治を代表する小説家であり、その短い生涯で発表した作品はどれも賞賛されている素晴らしい作家です。そんな樋口一葉が明治の女性の姿を描いた、「十三夜」の簡単なあらすじをご紹介します。

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樋口一葉「十三夜」あらすじ

物語は、主人公の女性が実家に帰ろうかと迷っている場面から始まります。

お関の家出

主人公のお関は、上級官史の原田勇の妻となります。彼女がまだ十七歳の頃、通りかかった原田に見初められたのですが、両親は彼女がまだ教養もなく身分も違うということで断ります。

それでも原田は諦めず、大事にするということでせがまれて仕方なく嫁に出すことになったのでした。

しかし、息子の太郎を産んだ途端に冷たくなり、ひどい仕打ちを受ける毎日でした。そんな夫に耐えかね、お関は息子を残したまま実家へと逃げ帰るのです。

父の言葉とお関の決意

実家では何も知らない両親がお関の帰りを喜んで迎えました。しかし、なかなか帰ろうとしないお関の様子を、両親は次第におかしいと感じはじめます。

そしてついに、彼女は帰郷に至った経緯を涙ながらに語るのでした。それを聞いた母は、あれほど頼まれたから泣く泣く嫁に出したのにと怒りました。

しかし父は、身分の高い夫はそういうこともあるだろう、同じ泣くなら太郎の母として泣け、と彼女を諭すのでした。

お関自身も我が子のためと思えば夫の仕打ちも辛抱できると思い直し、再び原田の元へ戻る決意をしました。

偶然の再会

婚家へ帰る途中、お関が乗った人力車を引いていたのは偶然にも幼なじみの録之助でした。お互い口には出しませんでしたが、二人は密かに惹かれ合っていた仲だったのです。

そこでお関は録之助の身の上話を聞きます。お関の嫁入り後、録之助は荒れていきました。

妻子にも逃げられ、後に娘はチフスで亡くなったのだそうです。

これまで転落の人生を送ってきて、今ではその日暮らしの無気力で投げやりな生活を送っているとのことを、お関に話したのでした。

別々の道へと歩き出す

久しぶりの再会にお関と録之助はとても驚いていました。しかし、それぞれ思うことはありましたが、その全てを口にすることはできません。

言いたいことはあるけれど察して欲しいとお関は言います。

お互いが全く別の道を歩んでいるということを知り、二人は静かに別れていきます。

胸に哀愁を秘めつつ、月光が照らす十三夜の夜道を歩き出すのでした。

感想

今の言葉にすると、パワハラ夫に嫌気が差した妻が実家に逃げ帰るということですね。

自分からぜひお嫁に来てくれと頼み込んでおいて、子供が生まれたら邪険にされるなんて、本当に腹立たしいと思います。

男尊女卑の時代

教養もないからと断った両親に頼み込んでおいて、嫁にきたら不作法だ不器用だと責めるなんて酷い旦那です。

でもこの時代はこんな男性は珍しくなったのかもしれません。実際お関は父親に諭されて夫の元へ戻ることを決めます。

同じ男である父親がそういう態度だということは、男から見たらなんでもないことだったのでしょうか。しかし母親は娘の境遇をとても悲しんでいます。この両親の差が、この時代の男女を物語っているような気がします。

参考樋口一葉「十三夜」青空文庫

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