暗夜行路のあらすじ「大自然の中で思うこと」

      2017/05/14   文学

山と太陽の景色
志賀直哉の長編小説「暗夜行路(あんやこうろ)」は、大正11年に発表されました。短編が多い志賀直哉の唯一の長編作品になります。

元々「時任謙作」という題名で構想していましたが挫折、その後「暗夜行路」として完成しました。執筆を始めてから17年も掛けて作り上げた物語とは、一体どんな内容なのでしょう。

それでは志賀直哉「暗夜行路」のあらすじを簡単にご紹介します。

スポンサーリンク

志賀直哉「暗夜行路」あらすじ

主人公は作者である志賀直哉自身がモデルだと言われています。

時任謙作の出生の秘密

時任謙作は、母が他界した後に祖父に引き取られます。その祖父が逝去し、祖父の愛人であったお栄とともに暮らすようになります。

謙作は自意識が強く、自己嫌悪に陥ることがよくありました。気分転換に転居や旅をしてみましたが、気が晴れるのは最初だけで、やがて孤独感に襲われるのでした。

耐え切れなくなった謙作は、お栄と結婚することを考えます。それを手紙で兄に伝えると、兄からの反対を受けました。

実は、謙作は母と祖父の過ちによって生まれた子だったのです。

度重なる不幸

ますます落ち込んだ謙作でしたが、そのショックを乗り越えて、直子という女性と結婚します。彼女との間に子供も授かりましたが、その子は生まれてすぐに亡くなってしまいます。

謙作は自分が何かに呪われているとさえ感じていました。そんな中、お栄が知人に騙されて朝鮮で困ったことになっていると聞きます。

謙作はお栄を迎えに朝鮮へ行きますが、その間に直子は彼女のいとこと過ちを犯しまうのでした。朝鮮から帰った謙作はその事実を知り、さらに参ってしまうのです。

大自然の中で思うこと

謙作は転機を求めて鳥取の大山にある蓮浄院というお寺に行きます。そこで十日ほど滞在するなかで、自分たち夫婦のことをじっくりと考えました。

ある日、大山の頂上を目指す途中に案内人とはぐれてしまいました。その時謙作は、自然と一つになったような感覚になります。

自然の大きさと自分たち人間の小ささを、身にしみて感じるのでした。

暗夜行路に終止符を打つ

大自然の中で精神が清められた謙作は、全てのことを許せるような心境に達していました。こうして彼の人生の暗夜行路は終わったのです。

しかし、その後に病気にかかり、危篤状態となってしまいます。かなりの重症ということで、寺の者が直子に連絡をしました。

驚いた直子は蓮浄院にやって来て、謙作が助かるにしろ助からないにしろ、ずっとこの人に添い遂げようとしきりに思うのです。

感想

この小説は好き嫌いが分かれそうな作品だと思います。主人公は同情するべきところはあるのでしょうが、そもそも一体どうやって生活しているかという点が謎です。

吉原で遊んでみたり、引っ越ししてみたり、旅行に行ってみたり、何をしても気分が晴れないのはお気の毒ですが、ではその気分転換の費用はどこから出ているのでしょう、と僻み根性で見てしまいます^^;

もしかしてこの主人公はニートだったのでしょうか。

簡潔な文体

何をしても気が晴れない鬱々とした男が様々な経験を経て、暗夜行路から抜け出せたというお話です。正直、あまり好きな物語ではありませんでした。

しかし無駄のない簡潔な文体リズムは、するすると頭に入ってくると思います。

志賀直哉は小説の神様と呼ばれるほどの作家であり、その主な作品は短編小説です。ですので個人的には短編をおすすめします。

あらすじ一覧

PC記事下

スポンサーリンク

PC記事下の下

 - 文学